今回は、日本銀行(日銀)が政策金利を0.5%引き上げるという重要な決定を行った直後に、変動金利で住宅ローンを組んだ方々に向けて、今後の金利変動のシミュレーションと対策について詳しくお伝えします。かくいう私自身も、ちょうど金利上昇の直前(2024年12月)に住宅ローンを組んだ一人として、この状況に直面しています。
借入金額4,700万円、返済期間35年、当初借入金利0.398%という条件で契約しました。
この記事では、私の借りた直後に変動金利があがりそうという状況を見据え、
家計負担にどれくらいインパクトがあるので3,000万円、4,000万円、5,000万円の借入金額でのシミュレーションも行い、取りえる対策を紹介します!
日銀の政策金利引き上げとは
政策金利引き上げの背景
日銀が政策金利を0.5%程度に引き上げる、追加利上げに踏み切った。 日銀は2025年1月24日まで開いていた金融政策決定会合で、政策金利を現在の0.25%程度から0.5%程度に引き上げることを決めました。 政策金利の引き上げは2024年7月以来で、0.5%の金利水準は約16年ぶりです。
日銀が政策金利を0.5%引き上げた背景には、インフレ率の上昇や経済の回復傾向があります。
長年続いた超低金利政策からの転換点のタイミングで私は、4,700万変動金利で借入しました。
変動金利住宅ローンへの影響
変動金利住宅ローンは、市場金利の変動に連動して金利が変わるため、今回の政策金利引き上げの影響を直接受けることになります。影響を受けるのは、既に借りている人とこれから借りる人で以下の影響を受けます。
- 月々の返済額が増加: 金利が引き上げられると、既存のローン利用者も定期見直し時に金利が上がり、毎月の返済額が増える可能性があります。
- 借入可能額の減少: 金利が高くなることで、金融機関の審査における返済能力評価が厳しくなり、一部の借り手が希望通りの金額を借りられなくなる場合があります。
一般的に、政策金利の上昇から実際の住宅ローン金利に反映されるまでには数ヶ月のタイムラグがありますが、今後1年以内には確実に影響が出てくると予想されます。
![](https://lifecharege.com/wp-content/uploads/2025/01/todd-kent-178j8tJrNlc-unsplash-800x533.jpg)
変動金利の変化シミュレーション(私の場合)
それでは、具体的な数字を使って、今後の変動金利の変化とそれに伴う返済額の変動をシミュレーションしてみましょう。まずは、私自身の借入条件(借入金額4,700万円、返済期間35年、当初借入金利0.398%)でのシミュレーションから始めます。
現在の借入条件での毎月の返済額は約121,000円です。
金利上昇後のシミュレーション
政策金利の0.5%上昇が、そのまま住宅ローン金利に反映されると仮定した場合、新しい金利は0.898%となります。この場合の毎月の返済額は約140,000円となり、約19,000円の増加となります。年間では約228,000円の負担増となり、35年間で約800万円の追加負担が発生することになります。
これが、今考えられる最大のリスク幅となります。
一方で、実際には、0.5%ではなく、変動金利への影響は0.25%程度という予想がされているので、
実際には、以下のようになる確率が高そうです。
借入金額4,700万円の場合
現在の金利(0.398%):毎月返済額: 約121,000円
金利0.648%上昇後:毎月返済額: 約127,000円(毎月の増加額:+6,000円)
5年後の返済額上限(125%制限):151,250円
年間・総返済負担の変化
年間増加額:+72,000円
総負担増(35年計算): 約252万円
借入金額別のシミュレーション(3,000万円、4,000万円、5,000万円)
次に、3,000万円、4,000万円、5,000万円の借入金額でのシミュレーションを行います。返済期間は35年、当初借入金利は0.398%で統一します。
金利上昇後のシミュレーション(0.25%上昇の場合)
金利が0.398%から0.648%へ0.25%上昇した場合を前提に、借入金額3,000万円、4,000万円、4,720万円、5,000万円での金利上昇後の返済額を詳細にシミュレーションします。
以下の条件を想定しています:
シミュレーションの前提条件
金利上昇幅:0.25%(0.398% → 0.648%)
借入期間:35年(元利均等返済)
金利見直し後の毎月返済額:金利上昇を反映
金利見直し頻度:半年に1回(ただし、返済額は5年間固定)
返済額の増加上限:5年後の見直し時点で「125%」まで
- 借入金額3,000万円の場合
現在の金利(0.398%):毎月返済額: 約77,000円
金利0.648%上昇後:毎月返済額: 約81,000円
(毎月の増加額:+4,000円)
5年後の返済額上限(125%制限):96,250円
年間・総返済負担の変化
年間増加額:+48,000円
総負担増(35年計算): 約168万円 - 借入金額4,000万円の場合
現在の金利(0.398%):毎月返済額: 約103,000円
金利0.648%上昇後:毎月返済額: 約108,000円
(毎月の増加額:+5,000円)
5年後の返済額上限(125%制限):128,750円
年間・総返済負担の変化
年間増加額:+60,000円
総負担増(35年計算): 約210万円 - 借入金額5,000万円の場合
現在の金利(0.398%):毎月返済額: 約129,000円
金利0.648%上昇後:毎月返済額: 約135,000円
(毎月の増加額:+6,000円)
5年後の返済額上限(125%制限):161,250円
年間・総返済負担の変化
年間増加額: +72,000円
総負担増(35年計算): 約252万円
重要な注意点
利息の割合が増える
金利が上昇すると、毎月の返済額に占める元金と利息の内訳が変化します。
金利上昇前:返済額の多くは元金の返済に充てられる。
金利上昇後:利息の割合が増え、元金返済は減少。
結果として、借入残高がなかなか減らない状況になる可能性があります。
5年間は毎月返済額が変わらない
金利が上昇しても、契約のルールにより5年間は毎月返済額が固定されます。
その間は、利息の割合が増え、元金返済が減少することで調整されます。
5年後の見直し時点で返済額が増額する可能性があるため、長期的な計画が必要です。
毎月返済額の増額は125%が上限
5年後の返済額見直し時、金利がさらに上昇しても毎月返済額は「125%」を超えないよう制限されています。
例:現在121,000円の場合、最大返済額は151,250円。
ただし、上限設定により元金の返済が遅延し、返済期間が延びる(総支払額が増加する)可能性があります。
借入銀行にもよりますが、5年ルールと125%上限があるので、その点は頭の片隅に置いておいたほうがよさそうです。
金利上昇への対策
金利上昇に備えて、一般的に言われる対策について、メリット・デメリットみながら
私なりの方針を考えていきたいと思います。
ぜひ皆さんも一緒に考えていきましょう!
1. 繰上返済の検討
繰上返済を行うことで、借入残高を減らし、将来の金利上昇リスクを軽減することができます。
例えば、毎月の返済額を増やす方法や、ボーナス時に臨時の返済を行う方法ですね。
繰上返済のメリット
- 総返済額の削減
- 返済期間の短縮
- 将来の金利上昇リスクの軽減
繰上返済のデメリット
- 当面の生活資金の減少
- 他の投資機会の損失
2. 固定金利への切り替え
変動金利から固定金利への切り替えを検討することも一つの選択肢です。固定金利は、金利が上昇しても一定期間は返済額が変わらないため、家計の安定性を確保できます。
固定金利切り替えのメリット
- 返済額の安定性
- 将来の金利上昇リスクの回避
固定金利切り替えのデメリット
- 現時点での金利が変動金利より高くなる可能性
- 金利が下がった場合のメリットを享受できない
3. 借り換えの検討
他の金融機関での借り換えを検討することも有効な対策の一つです。金利だけでなく、借入条件全体を見直すことができます。
借り換えのメリット
- より有利な金利条件の獲得
- 返済期間の見直しによる返済負担の調整
借り換えのデメリット
- 手続きの煩雑さ
- 諸費用の発生
繰り上げ返済・固定金利への変更・より安い変動金利提供している銀行への借り換えが手段ですが、
結論私はどれも対応しないです。
基本的にまだ、変動金利は、仮に上がったとしも0.68%程度。
大方針として、手元キャッシュは投資にほぼ全額突っ込み、投資収益の期待リターンが4~7%であるので、であれば、敢えて諸費用かけての固定への変更や繰り上げ返済はしないという結論です。
私はauじぶん銀行で借入していますが、投資収益が上回るような金利であれば、繰り上げ返済を検討かなと考えています。
それ以外の対策を講じたいと思います。
4. 収入増加の方策を検討
金利上昇に伴う返済負担の増加に対応するため、収入を増やす方策手段もあります。
- 副業やフリーランス業務の開始
- スキルアップによる昇給や転職
- 投資による追加収入の確保
これらの方策は、単に住宅ローンの返済だけでなく、全体的な生活水準の向上にもつながります。
私は、3つも株式投資による配当金でカバーしようと考えています。
5. 支出の最適化
返済負担の増加に備え、家計の支出を見直し、最適化することも取り組みやすく効果的です。
- 固定費(光熱費、通信費など)の見直し
- 不要なサブスクリプションサービスの解約
- 食費や娯楽費の適正化
これらの取り組みにより、数万円単位で月々の支出を削減できる可能性があります。
一番効果がでやすいのは、固定費の見直しですね。これまで1,000円くらいの掛け捨ての生命保険に入っていましたが、団信に入ったので、この生命保険は見直しをしようと思っています。
サブスクも気づいたら増えてたりするので、よい機会と捉え、不要なものは解約したいと思います。
食費や娯楽を削る対応も一般的には言われますが、個人的にはなしです。
人生楽しみがないとやってられませんからね。
6. 金融リテラシーの向上
金利や経済の動向をより深く理解することで、より適切な判断ができるようになります。
- 金融関連の書籍やオンライン講座の活用
- ファイナンシャルプランナーへの相談
- 経済ニュースの定期的なチェック
金融リテラシーの向上は、住宅ローンだけでなく、人生全般の財務管理に役立ちます。
私自身もFPの資格(3級)を持っています。勉強の記録は以下の記事にまとめています。
育児しながらFP3級に4日で合格した勉強方法
![](https://lifecharege.com/wp-content/uploads/2025/01/alexander-mils-lCPhGxs7pww-unsplash-800x533.jpg)
結論:金利上昇は危機であり機会
日銀の政策金利引き上げは、変動金利住宅ローンを利用している多くの方々に影響を与えます。
今回のシミュレーションで示したように、金利上昇によって月々の返済額が増加し、長期的には数百万円規模の追加負担が発生する可能性があります。しかし、適切な対策を講じることで、この影響を最小限に抑えることができます。
繰上返済、固定金利への切り替え、借り換えなど、自身の状況に合わせた最適な選択肢を検討することが重要です。
また、今回の金利上昇を契機に、家計全体の見直しを行うことも有益です。
私はこれが重要だと思っており、収支バランスの再確認、支出の見直し、将来の収入増加の可能性など、総合的な視点で財務計画を立てることで、より安定した返済計画を立てることができます。
最後に、金融環境は常に変化していることを忘れないようにしたいですね。
来年はまた追加利上げってなっているかもしれませんし、起こってほしくないですが、大不況でまたマイナス金利となるかもしれません。
定期的に自身の住宅ローンの状況を確認し、金利の動向や経済情勢に注意を払いつつ、柔軟に対応していくことが、長期的な財務の安定につながります。
住宅ローンは人生最大の買い物の一つであり、その管理は重要です。
私は借りた直後に金利上昇となりそうですが、今回の政策金利引き上げを、自身の財務状況を見直す良い機会と捉え、より安定した将来に向けて行動を起こしていきましょう!
参考記事
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